Ⅳ 大規模修繕工事の契約の3方式の比較

① 「設計・監理方式」費用削減効果は最大 15%~25%

一級建築士事務所等の設計士コンサルタントに頼んで建物状況調査をし、改修工事費見積用標準仕様書を作り、6~12社の施工業者を業界新聞等で募って競争入札で安い施工業者を選定して、設計技師らに工事監理をして貰うという「設計・監理方式」を採用する修繕工事契約が、一般的に広く実施されています。
自主管理をされている団地管理組合法人等の多くも、設計事務所をコンサルタントにして、この方式で大規模修繕工事を実施しておられます。

この「設計・監理方式」は、一般的には官公庁や公共事業で工事業者を選定する標準的な契約方式となっておりますが、従来から「入札」を巡っては公取委で「談合」などの種々の問題点が指摘されていても、長期的に試行錯誤を続けていて、その実態の解明・事態の改善の兆しは未だ見えておりません。
 
 
マンションの大規模修繕工事の場合は、理事会がコンサルタントや施工業者の選定に際し、管理組合としての「公正性」を担保する名目の為に、「設計・監理方式」を採用して居られる所が大変多い実状です。
 
しかしここ2年前から公表されてきた「不適正なコンサルタント問題」などで指摘されるように、この入札で安いコンサルタントや施工業者を選定しても、見積価格へのバッグマージンの上積みや関係者間の利益相反取引等の横行の間題は実態解明すら難しいのが現状です。
設計コンサルタントや建築家の業界内や行政側でこの対策を検討しておられますが、今のところ関係省庁の出先やマンション管理センターなどに相談して、業者の工事費見積単価を過去の実績標準単価と比較をするくらいしか対処方法は有りません。
幸い本当にクリーンな設計コンサルタントを採用できたとしても安くして貰える工事費額は、長期修繕計画表の記載の見積金額から15%から20%くらいが実績ではないでしょうか。
 
建築家協会辺りでは、小さな(29戸以下の)マンションの場合は「責任施工方式」を採用しても良いと言い出していますが、法律上は修繕工事の契約・施工の方式を選んで実行する権限と責任は、全てマンション管理組合にあります。
 
 

② 「管理会社への一括おまかせ方式」費用削減効果は 0%~10%

管理会社が社内の営繕部門や関連請負業者を直接使って施工する場合も「責任施工方式」と言えるでしょうが、ここに依存すれば結果的には長期修繕計画表の見積金額から10%の値引きをも受けられる可能性すら低いと言わざるを得ないのが大多数の現今の実態・実績です。
補修費積立金の残高等全てを知っている管理会社が、表面上入札を実施しても、いつも一番札になる事業者は事前に決まっていると推定されるからです。「① 設計・監理方式」の見積金額の上に管理会社の間接費が上乗せされ、実際の必要工事費はかえって高止まりするのです。
 
 

③ 「責任施工方式」費用削減効果は 35%~50%

大規模修繕工事費節減の成功例」に述べましたように私共が約半値で目的を達成できた修繕工事の契約方式は、公式には「責任施工方式」と呼ばれます。
古来より民間の戸建て住宅において、近隣や縁故の棟梁(大工)を中心とする工務店が、家主との信頼関係で補修工事等を請け負ってきた伝統的な契約・施工方式の総称です。

この方式の特徴は、家主と棟梁との話し合いで全ての工事仕様や工法/工期が決まります。
インターネットでこの方式を検索してご覧になれば、この方式の請負業者の紹介サイトなどたいへんご参考になることでしょう。この在来の契約・施工法の方が、工事コスト削減には有効であることがお分かりになると思います。
 
私共はこの方式の採用を前提に、信頼できそうな施工業者で普段は大手ゼネコンや管理会社の下請施工を実働している近隣の業者やご紹介する一次下請業者数社から直接に見積り計算書を取り、「見積合わせ」で選定するやり方を推奨しているのです。
 
管理会社や建築設計コンサルタントに依存しなくても、皆様がやる気になって直接修繕施工業者と話し合いながら、各施工業者の能カと人柄を判断し、現場作業者の誠実さを見抜ければ、安さだけでない良い仕上がりと長期保証期間を獲得出来るのです。もし自分達に技術的な不安が有れば、設計コンサルタントに詳細設計と現場立会や検査時だけ立ち会ってもらい、参考意見を出して貰えば良いのです。
 
皆様が自分たちで勇気をもって新しい契約方式に乗り出し、改修工事を完成させるまでのコンサルテイングと実務のコーチングを、最終的に節減できた費用に比例した安い成果報酬でお手伝いしたいと思っております。
 
貴理事会等のご都合に合わせて、無償で説明にお伺い致します。ご連絡下さい。